貧血と低血圧の違い

貧血とは?

貧血という字を見ると、いかにも血液が足りない感じがしますから、体には悪そうだということは誰でもわかると思います。
でも、貧血とは実際に体の中でなにが起こっているのでしょうか?

 

貧血とは、血液自体が足りないというよりも、血液中に赤血球の成分であるヘモグロビンが足りなくなっている状態だと考えた方がよいかもしれません。
ヘモグロビンは、呼吸によって取り込まれた酸素を体の隅々まで運ぶ働きをしているタンパク質の一種です。
そのヘモグロビンが不足すると、全身に酸素が行き渡りにくくなるのはもちろん、少ないヘモグロビンの量で全身に必要な酸素を送ろうと無理をすることになりますから、心臓がより多くの血液を送り出そうとして、大きな負担がかかることにもなるのです。
ですから、貧血の場合には、酸素不足のためにめまいやふらつきを感じたり、心臓に負担がかかるために動悸や息切れを感じたりという症状が現れることになります。

 

低血圧とは?

低血圧とは、文字通り血圧が低い状態を言いますが、実際には収縮期の血圧(血圧計で測るときの高い方の値)が100mmHGより低いことを指すのが一般的です。
高血圧が様々な生活習慣病と関係が深いため、血圧は低い方がよいと考えられがちですが、低いからといって必ずしもよいというわけでもありません。
血圧があまりに低い場合には、立ちくらみやめまいが起こりやすく、一時的に意識を失うこともありますから、専門的な治療や生活の管理が必要になります。
低血圧には、常に血圧が低い状態が続くパターンの他に、立ちっぱなしの状態が長く続いた時や、寝た状態や座った状態から立ち上がった時だけ血液が下がるパターンもあるため、どのような状態の時に血液が下がるか注意深く観察する必要があります。

 

貧血と低血圧の違い

貧血と低血圧は、どちらも立ちくらみやめまいなどの症状が出やすいことから、混同されることがありますが、そもそも立ちくらみやめまいを起こすメカニズムが全く違います。
貧血の場合は、鉄不足などから血液中のヘモグロビンの量が減るため、脳や全身の細胞への酸素供給量が減り、ふらつきやめまいが起こるというもの。

 

一方、低血圧の場合は、心臓のポンプの力が弱いなどの理由から、全身へ血液をうまく送れない状態です。
どちらも脳や体の隅々まで血液に含まれた酸素や必要な栄養素を送ることが難しくなっている状態という点では同じですが、根本的なメカニズムから見ると全くの別物ということがわかりましたでしょうか。

自分は低血圧?貧血?それぞれの症状を確認!

低血圧と貧血は、めまいや立ちくらみといった似たような症状が起きるため、同じようなものと分類されていることもありますが、実際には、低血圧と貧血は全くの別物と言っても過言でないくらいの違いが存在します。

 

そもそも低血圧とは?

低血圧の原因は、血液を体内に循環させるために必要な心臓のパワー不足です。
この心臓のパワーが足りないと、血液の流れに支障がでるため、脳に十分な酸素が行き渡らないことから、めまいや立ちくらみといった症状につながるのです。

 

血圧は、常に一定ではなく、身体を動かしたり緊張した状態では高くなり、就寝時には低くなる傾向があります。

 

貧血と赤血球

貧血は、血液中の赤血球の数が減少することで起こります。
貧血の原因には、大きく分けて2種類あります。
血液の減少と、赤血球の減少です。

 

1.血液の減少
血液の減少は言い換えれば、血液不足によって起きる貧血のことで、女性の整理中に起きる「虚血性貧血」が代表的です。
その他には、内臓の出血による貧血もあります。
このパターンの貧血は、血尿や血便という形で判明するケースもあるのですが、自覚症状がないケースも存在します。
この場合、もしもめまいやだるさなどの貧血特有の症状が継続された状態であれば、医師の診断を受けたほうが良いかもしれません。

 

2.赤血球の減少
赤血球の減少による貧血には、「溶血性貧血」と呼ばれる赤血球の破壊によるものや、骨髄の異常による「再生不良性貧血」と、「巨赤芽性貧血」という赤血球の生成途中の異常によるものがあります。

 

この貧血を確認するためには、血液検査が必要となります。

 

女性が低血圧になりやすい理由

グラフ

女性が低血圧になりやすい理由として、女性ホルモンによる血管の拡張作用があります。

女性ホルモンは20代までは分泌量が多いのですが、40代を超えると一転して分泌量が低下する傾向が見られます。

 

そのため、低血圧から突然、高血圧に変化してしまうケースも存在します。
仮に生活習慣を20代の頃と変わらないままでいたとすると、動脈硬化や高血圧といった成人病の症状が現れるリスクがあります。

低血圧を放置するとどうなる?また貧血を放置したらどうなる?

低血圧や貧血に対して適切な対処をしないまま放置しておくと、将来的に大きな病気になるリスクにつながるケースもあります。

 

3種類の低血圧

低血圧は、「症状性低血圧症」と「本能性低血圧症」と「起立性低血圧症」の3種類に分類されます。

 

症状性低血圧症

薬剤の副作用の他、甲状腺や心臓の病気が原因となっています。
症状が頻繁に現れるようであれば、医師による、薬剤の投与などの治療で改善に向かうこともあります。

 

本能性低血圧症

低血圧の中でも最も多い症状です。
特に原因が見当たらないこともあり、年齢を重ねるうちに自然と改善してしまうケースも少なくないようです。
日常生活に支障をきたすレベルでない限りは、あまり心配しない方がいいかもしれません。

 

起立性低血圧症

立ち上がった瞬間に、めまいや立ちくらみが起きるタイプの低血圧症です。
あまり頻繁に症状がある場合は、一度医師の診断を受けたほうがいいでしょう。

 

貧血を放置してはいけない3つの理由

貧血は人によっては、習慣のようになっているケースもあるようですが、放置したままでいることは避けた方が良い3つの理由があります。

 

重度の鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血は、文字通り、体内の鉄分が不足することによって起きる貧血です。
軽度であれば、鉄分や葉酸やビタミンCなどを継続して摂取することで改善することもありますが、重度の鉄欠乏性貧血の場合、医師の診断を受けた後に適切な処置をしてもらう必要があります。(鉄剤の服用など)

 

他の部位からの出血

鉄欠乏性貧血は、血液が不足することによって起きる貧血であり、女性の場合なら生理中の経血が多くの原因となっています。

 

ところが中には、子宮筋腫や十二指腸潰瘍による出血が原因でおきる貧血も存在します。
できれば放置せずに、きちんと検査をしたほうが良いでしょう。

 

鉄不足によって起きる症状

貧血を放置した結果、鉄不足が進行しますと、氷やチョークや泥を食べたがる異食症や、免疫機能の低下による真菌症(水虫など)、味覚障害や神経伝達生涯、そして不妊といった症状が起こる可能背うがあります。

低血圧と貧血を併発することってある?併発したらどうなる?

低血圧と貧血はほとんどの場合、別の原因で起こりますが、中には低血圧と貧血が併発するケースも存在します。

 

症候性低血圧症

症候性低血圧症とは、薬剤による副作用や病気が原因となって起こる低血圧の種類です。
原因となる病気などの治療が低血圧の症状の改善につながるものです。

 

症候性低血圧症の原因となるもの

1.貧血
血液量の減少や、鉄分不足による貧血も原因のひとつです。

 

2.心臓(循環器)の疾患
心筋梗塞や不整脈、心筋症や狭心症、心筋炎や大動脈弁狭窄症などの心臓の疾患が原因となるケースです。

 

3.出血
負傷箇所からの大量の出血も原因となります。

 

4.薬剤による副作用
精神安定剤や降圧薬、交感神経遮断薬や利尿薬、抗うつ薬や抗てんかん薬、抗不整脈薬などの薬剤による副作用が原因となることもあります。
他には、アルコールや薬物の中毒も含まれます。

 

5.神経疾患
脳腫瘍や糖尿病性神経症、骨髄断裂や多発性硬化症などの神経疾患も原因となります。

 

6.内分泌疾患
甲状腺機能低下や低血糖、副腎不全や下垂体機能低下などの内分泌疾患も原因のひとつに当てはまります。

 

7.代謝性疾患
低蛋白血症や低ナトリウム血症といった代謝性疾患も原因となります。

 

症候性低血圧の様々な症状

1.血圧の低下
負傷箇所の出血や心臓の疾患、薬物の中毒が原因となっている場合の症状は、血圧の低下です。

 

2.慢性的低血圧
神経疾患や代謝性疾患が原因の場合、慢性的な低血圧の状態が継続され、めまいや立ちくらみといった症状が現れます。

 

貧血の場合の対処法

症候性低血圧症の原因が貧血の場合には、貧血の改善のために鉄分などの栄養素を摂ることが対処法となります。

 

その他の低血圧症

低血圧には前述した症候性低血圧症の他にも、本能性低血圧症と起立性低血圧症があります。

 

1.本態性低血圧症
低血圧の種類の中で、1番多く見られる症状です。時間の経過とともに治癒してしまうこともあります。

 

2.起立性低血圧症
立ち上がった際に立ちくらみやめまいが起こる低血圧症です。